東秀紀さんインタビュー
東京コピーライターズクラブ(TCC)が毎年行なうTCC賞で、新人賞、部門賞、最高賞など多くの賞を受賞しているハッケヨイ制作所のコピーライター・東秀紀さん。「とにかく、何かを作る側になりたかった」という学生時代の夢を実現し、第一線で活躍している氏に、コピーライターになったきっかけや、ご自身の仕事に対する想いなどを伺いました。
―コピーライターを志望したきっかけは。
学生時代、音楽でもスポーツでも小説でもオリンピックでも「あぁ、いいなぁ」と思うといつもそっち側に行きたくなって。嫉妬してました。大学3年の時、『広告批評』で仲畑貴志さんのコピーを見て、コピーライターという仕事を初めて知りました。それで仲畑貴志さん、糸井重里さん、林真理子さんら当時のコピーライターブームの中心で活躍している人たちのことを調べてみたら、みんな宣伝会議コピーライター養成講座に通っていたことがわかり、まずは、ということで通い始めました。講座では、クラスの仲間たちと飲みに行ったり楽しかったですね。彼らと共に学んでいくうちに「コピーライターの世界でやっていこう」という意志が固まったことが一番大きかったと思います。その後、大学卒業して5月に、化粧品の美容部員の教科書を作る制作会社に入って、1年ちょっと勤めたあと、リクルートを経て、リクルートの仲間たちと一緒にハッケヨイ制作所という制作会社に参加し、現在に至ります。
―コピーライターに必要な資質はありますか。
好きかどうか、興味があるか、じゃないかだと思いますね、やっぱり。好きだと勉強しますから。僕もコピーがヘタだったから勉強しました。それと、基本的には言葉の力を信じているかどうか。普段から人より言葉を意識してみているかということ。コピーライターになりたい、あるいは興味がある人っていう人はその時点で、素養があると僕は思います。いい広告をみて、言葉に反応したことがある人は、人は言葉で動かせるんだということを事実として知っているわけだからこれは強い。
―コピーライターの仕事の醍醐味はどのようなところですか。
この仕事をやっていて、僕が一番嬉しいのは、モノが売れたときです。自分が関わった商品がコンビニで買われているのを目にするとたまらないですね。それから自分自身が本当にいいな、と思うものができたときは本当に嬉しいですよ。まあめったにないんですけど。自分の企てどおりにモノが動くと楽しいです。この商品は、流行を作るのではなく、あえてじわじわと売っていくという戦略を立て、実際に自分が意図した通りにじわじわと売れていったりするとうれしくなります。
―コピーライターを目指す人たちにメッセージをお願いします。
正直言って、この仕事は決して楽ではありません。巡り合わせや運が大きく左右することも多いですし。だから、私が言えることは自分が納得する生き方をしてください、ということだけですね。結局は他人の人生だからとやかく言えないと思っていますので。でも実際やっていて面白い仕事だということは言えます。とにかく頑張ってください。
東秀紀(あずま・ひでき) コピーライター
1960年岩手県生まれ。広告制作会社、リクルートを経て、E.に参加。
その後、独立してハッケヨイ制作所を設立、現在に至る。
TCC新人賞、TCC最高賞など多数受賞。


